新藤加菜(東京都港区議会議員)
「当事者の方々を無視したLGBT理解増進法」
2023年に成立したLGBT理解増進法もそうですけど、全体的な社会気運として男女の境目をなくそうとしています。
もちろん生きづらさを抱えた人に寄り添うことはとても大切ですし必要なことですけれども、例えば男と女っていう定義すらいろんな定義がある時代じゃないですか。生殖器の有無で判断するのか、性自認だけなのか。その議論もしないままに、LGBTだったり、男女の垣根をなくそうって言っても、しっかりと定義がなされていないから、社会全体でのコンセンサスが取れなくなってしまって混乱に導かれる。
LGBT理解増進法の第五条には、地方公共団体の役割として、施策の策定と実施が明記されています。「多様性に関する国民の理解の増進に関する施策」といっても、具体的な内容は無く、運用は全て自治体に任せますねという形になっているので、地方自治体ごとにすごく幅が生じます。また、第一条に「差別はあってはならない」とありますが、そもそも法の下の平等は憲法第十四条に定められており、特定の存在、LGBT の人たちをピックアップしてやる意味は正直わかりません。
LGBTだけでなく、全ての生きづらさ抱えている人に対して寄り添わなきゃいけないと思います。
私の周りのLGBT当事者たちは、LGBT理解増進法や昨今のLGBTをめぐる社会的な気運に対し、「やめてほしい」と口を揃えています。理解増進法とか、社会があまりにも多様性多様性と求めることによって、「逆に我々は戦わなきゃいけなくなる」言うんです。
自分たちが主張していくことが求められるし、「自分がこういう存在だ」って説明しなきゃいけなくなる。白黒はっきりつけないところに寛容性があり、多様性が認められる。 静かにほっといて欲しいと思っているのが正直なのに、外野から「マイノリティって言ってもいいよ」「皆さんには権利があるから出てきなさい」って強要されることも辛いとききます。
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